緊急脱出時は何も持たずに〜航空機事故、身の安全を最優先
- 2013年7月9日
- アメリカ発ニュース
旅客機から緊急脱出する時に荷物を持って逃げる人が多く、安全の専門家はその危険性を警告している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、最近サンフランシスコ空港で起きたアシアナ航空214便の事故でも、手荷物や「アイパッド」を持って逃げる人 、中には免税店で買った酒の箱を2つ抱えて脱出用シューターを滑り降りる人もビデオ映像に映っていた。
アメリカン航空のベテラン客室乗務員で、米国客室乗務員組合(APFA)のコミュニケーション・コーディネイターを務めるレスリー・メイヨー氏は「90秒以内に避難しなければならない時に、後ろの人より自分の荷物の心配をするのは問題です」と指摘する。アメリカン航空の乗務員は、パニックに陥ることの多い乗客をできるだけ速く避難させるため、何も持たずに逃げるよう大声で指示する訓練を受けるという。
荷物を置いて行くのにはいくつかの理由がある。まず、頭上の収納棚や座席の下から荷物を出していると通路の流れが止まり、脱出が長引く恐れがある。また、急角度のシューターを滑り降りる時はスピードが出て不安定になるため、着地の衝撃で荷物が回りの人に当たる恐れもある。さらに、着地の際は両手を自由にした方が安全。
かかとの部分が尖った靴はシューターを破る危険性があるため、靴を脱ぐよう指示する航空会社もあるが、靴を履いていることの利点の方が大きいと判断する社が多い。
また、2009年にUSエアウェイズ機がニューヨーク市のハドソン川に不時着した際、脱出前にライフジャケットを手にしていたのは乗客150人中わずか10人で、浮くための道具として座席のクッションを持っていたのは約半数だった。
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