ルノー日産とアフトワズ提携〜現地サプライヤーに課題
- 2013年10月3日
- 自動車関連
ルノー日産パーチェシング・オーガニゼーション(RNPO)とロシアのアフトワズは50%ずつ所有する、共同購買組織(CPO)を設立した。RNPOはルノー日産アライアンス内での最大の共同組織であり、世界中のルノーと日産両方の購買活動を担当している。
RNPOが2012年に8億5100万ユーロの費用削減を達成した方法を踏襲し、生産台数の増加とサプライヤーとの価格交渉で、ルノー日産およびロシアの3社のパートナーにコスト削減を実現するのが狙い。新組織のCPOは、ロシアでの部品生産で、品質、コスト、納入期限をすべて均一に定めるというルノー日産方式を採用する。
共同購買アライアンスに関わるため、ロシアに新たな投資を希望する企業も出てくるとみられる。ロシアのサプライヤーの競争力を向上させるため、外国のサプライヤーの直接投資を奨励するロシア政府の自動車産業政令166号も後押しをする。増産につながるチャンスとなるが、同時にロシアでの生産現地化を推進しなければならない。ロシアでは、いまだに外国メーカーによる部品輸入が多い状況にある。
今回のRNPO合意により、ロシア部品の80%は、ルノー日産のグローバル基準を年末までに満たさなければならない。車種の開発と製造の直接アライアンスにおいては、ラダ、ルノー、日産の3ブランドの5車が対象となる。同プロジェクトへの投資額は4億ユーロ。共同購買組織は、最初にこれらの車両の生産に必要な購買費用とコンポーネント費用をできるだけ低額に抑えることに取り組む。
アフトワズの売上げは、ロシア市場が堅調に伸びているのにもかかわらず、60万台で止まったままだ。外国自動車メーカーが市場を浸食しているためだ。消費者は時代遅れの車種を、現代のソラリスやロシア市場向けのVWポロなど、ロシアの顧客を念頭に置いて特別に設計されたものを選んでいる。
アフトワズは7月にルノーとの提携による最初のモデル、ラダ・ラーガスを発売したばかりだ。両社が最初提携を決めてから4年以上の月日がかかった。ルノーの技術とラダを最適な形で結びつけるのがいかに難しいかを示している。同時に、ルノーとラダの一件をロシア市場参入の難しいサンプルとして見るサプライヤーにとっての懸念となっている。
アフトワズは、ルノー日産アライアンスの要件を満たすサプライヤーが、現状の66%から年末までに80%までに増加するように希望している。
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