少年太宰の日記に創作メモ 「親の慈愛」「イゴな人」

 【共同】「人間失格」「斜陽」などの小説で知られる作家太宰治(1909〜48年)の旧制青森中学時代の日記に、全集に収録されていない計18ページにわたる未公表の記述があることが18日までに、日記を所蔵する日本近代文学館(東京都目黒区)の調査で分かった。中には創作メモとみられる記載もある。

 昨年、横山武夫・元青森県立図書館長の遺族が、太宰のノートや日記を日本近代文学館に寄贈し、一部は一般公開されていた。未公表の記述は、太宰が旧制青森中学3年だった1926年の正月から1カ月だけ書いた日記に残されていた。

 書かれていたのは子供ができた「二十七八才」の男が父親と交わす「親の慈愛」についての短い会話や、「或るイゴな人があつた」という書き出しで始まる「イゴイスト」と題された数行の創作など。「恩ばかり示せばつけ上る。威ばかりだと憎まれる。人生には愛ばかりが脳ぢやナイ。威がなくっちや」などの書き込みもあった。

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