JATCO〜AT開発への資金投入目論む

 連続可変トランスミッション(CVT)製造で世界的シェアを誇るJATCOが、新興市場に再び参入する。CVTが未だ高額で取引されている市場だ。

 日産関連会社であるJATCOは、インドのような低コストでの製造が可能な国に対抗する為のオートマチックトランスミッションの開発を進めている。2月1日から日産自動車の常務に就任したJATCOの秦孝之社長が、ワーズオートのインタビューで明らかにした。同氏は、開発中の低価格オートマチックトランスミッションでの、新たな市場の開拓に意欲を示している。商品について、ギアチェンジ機能が3速か4速かといった詳細への言及は避けたが、「マニュアルトランスミッションに対抗する為に、確実に、現在市場に出ているものより安価となる」「メインターゲットは初めて車を購入する人達になるだろう」と述べた。

 11月の東京モーターショーで、JATCOは同製品のベースとなるモデルを公開した。昨年発表されたアフトヴァースのラーダ・カリーナとラーダ・グランタで起用された4速トランスミッションで、パーツを16%減らしながら、シフト加工の軽減、カウンターウェイトの減量がなされている。また同モデルは、約2/3のパーツを微妙な変更もしくは原型のままで、中国の東風汽車公司で製造されている日産の1.5リットル サブコンパクトカー「マイクラ」にも適合させている。

 秦氏は、JATCOはまだ2018年の売上1兆円という目標への途中段階に過ぎないとしている。2020年の売上予測を述べることは避けたが、1兆円を超えることは確信しているようだ。4速オートマチックトランスミッションのような新興市場向けの製品と同様に、CVTやハイブリットへの増加需要も、成長の鍵を握っている。

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