袴田事件の再審決定 死刑停止、釈放

 【共同】1966年6月に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人を殺害したとして、80年に死刑が確定した元プロボクサー袴田巌死刑囚(78)の第2次再審請求審で、静岡地裁は27日、裁判のやり直しを決定するとともに、死刑の執行を停止、袴田さんの釈放を認めた。

 袴田さんは同日、東京拘置所(東京都葛飾区)から釈放された。静岡県警に逮捕されて以来、48年近くにわたり身柄拘束されていた。法務省によると、再審開始決定が出たことで死刑囚の拘置が停止され、釈放されるのは初めて。県警は「話す立場にない。コメントは控えたい」としている。

 村山浩昭裁判長は、決定理由で、DNA鑑定の結果から、犯人が着ていたとされていた「5点の衣類」が「袴田さんのものでも犯行着衣でもない」と認定し、捜査機関が証拠を捏造した疑いがあるとした。証拠開示で明らかとなった、事件直後に袴田さんを目撃したとする証言など新証拠と旧証拠を総合的に判断し「犯人と認定できない」とし、無罪の可能性を指摘した。弁護団の主張を全面的に認めた。

■強い反省、即刻釈放に 袴田さんの再審請求

 【解説】袴田巌さんの第2次再審請求で静岡地裁は、裁判のやり直しだけでなく、死刑執行や拘置の停止も認めた。再審開始決定による死刑囚の拘置停止は初めて。これまで袴田さんの無罪主張に耳を傾けてこなかった裁判所の強い反省が感じられる。

 地裁は、DNA鑑定の結果を基に、犯行着衣とされた「5点の衣類」と袴田さんとの結び付きを否定しただけでなく、衣類は捜査機関が捏造した証拠である可能性があるとまで踏み込んだ。

 さらに拘置停止の理由では「これ以上続けることは耐え難いほど正義に反する」と言い切った。冤罪死刑が国家による殺人行為になるとの自覚に加え、袴田さんを死刑の恐怖の下、長期間身柄拘束してきたことへの自戒がうかがえる。

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