編入批判で投獄の恐れ クリミアで報道統制

 【共同】ロシアが編入を強行したウクライナ南部クリミア半島で報道統制が進み、反体制メディアが消滅の危機に直面している。5月に発効するロシアの新法によって、編入を批判すれば投獄される恐れもあり、自由な言論を求める記者らに絶望感が広がる。

 クリミアではロシア編入に向けた16日の住民投票に先立ち、ウクライナの各テレビ局の放送が遮断された。新聞など活字メディアも一部が廃刊に追い込まれている。反体制派の記者は会見から締め出される一方、当局発表を垂れ流すメディアが新設された。

 ロシアでは、領土保全を損なう呼び掛けに最高5年の懲役刑を科する新法が5月9日に発効する。この日以降は「クリミアが『併合された』と言うことすらできない。投獄されてしまうからだ」。シンフェロポリの新聞「ベチェルニイ・ゴロト」のデニセンコ編集長は27日、ロシアに民主化の望みはないと言い切った。

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