メキシコで二次請けの供給網構築へ

 メキシコの自動車部品工業界(INA)は、全国的な二次請け(ティア2)の供給網の構築に着手、長期間かけて取り組む計画だ。ティア1のサプライヤーは必要とする原料や部品の多くを輸入に頼っている。INAによれば、メキシコの一次請け企業は2013年に768億ドル相当の部品を生産している。オートモーティブニュースによれば、うち388億ドル相当の輸入部品を使用している。2019年までに輸入部品の総額を250億ドルまでに下げるのがINAの掲げる目標である。

 その取り組みは、政府からの融資を受けて、18カ月前に始まった。約100社のメキシコの二次請けのサプライヤーが製品を国際標準に合わせるため、生産の基準を改善した。INAのオスカー・アルビン代表によれば、一度は母国で生産された部品を好んだアメリカ、ドイツ、日本の自動車メーカーも、現在では現地での部品調達を模索している。メキシコの一次請けの供給網は強力だが、そのうちのメキシコ企業は15社にしか過ぎない。「一次請けの層は完成しており、メキシコ製の部品で自動車を組み立てることができる。問題は一次請けに供給する部品の確保だ」とアルビンは語る。

 メキシコでは自動車製造に膨大な投資が行われている。また、メキシコでの生産台数は、2014年内にはブラジルを追い越すと予測されている。生産基盤が成長を続ける限り、部品のメキシコ生産は必然の流れである。2017年まではメキシコはブラジルの先を行き、2021年にはメキシコの生産台数は469万台に達すると見られている。ブラジルとメキシコでは、メキシコ産の自動車のほぼ90%が輸出されている一方、ブラジル産自動車は自国市場へかなりの割合が供給されている。メキシコで生産された車両は米国やヨーロッパなど成熟した市場に輸出されるため、安全装置のレベルや部品の品質においても高い水準を満たす必要がある。

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