ソニー・ピクチャーズ、マンディアントに依頼 〜 サイバー攻撃の調査と復旧
- 2014年12月3日
- ハイテク情報
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)は、1週間前に起きた大規模サイバー攻撃の事後処理のために、米サイバーセキュリティー会社ファイヤーアイ(FireEye)傘下のマンディアント(Mandiant)と契約した。
SPEはハックされたことで、5本の未公開映画がインターネット上に流出するという被害を受けた。
新作映画の一つ「ザ・インタビュー」は、米中央情報局(CIA)が金正恩第一書記の暗殺を図ることを題材にしたコメディー映画で、北朝鮮をからかう描写が多く含まれている。そのため、北朝鮮がSPEに報復する目的でSPEをサイバー攻撃したという見方が浮上している。
同作品は12月25日に北米で公開される予定。
リコード(re/code)誌やロイター通信によると、北朝鮮国連代表部の報道官は国連のバン・ギムン事務総長に宛てた書簡で、「露骨なテロ支援であり、戦争行為だ」「極悪の挑発行為」とSPEを非難した。
報道官はさらに、北朝鮮がSPEへのサイバー攻撃に関与しているという一部の見方に対し、「われわれは何も知らない」「(北朝鮮が関与していないことは)そのうち分かるだろう」と述べた。
SPEのコンピュータ・システムは11月24日に、赤い骸骨の画像と「Hacked by #GOP」という言葉が表示されたあと機能不全に陥った。「平和の守護神(Guardians of Peace)」と名乗るハッカー集団はSPEに対し、「要求に従わなければソニー社内の機密情報を世界に公開する」と宣言していた。
マンディアントは、サイバー攻撃の規模や内容の調査をはじめ、通信網の再整備やシステム修復を助ける事後処理サービス会社。2013年の歳末商戦期に起きた小売チェーン大手ターゲットに対するサイバー攻撃で大規模のデータ侵害を処理したのもマンディアントだ。
SPEは今回の攻撃を受けて、マンディアントにその処理を依頼すると同時に、捜査に乗り出した連邦捜査局(FBI)に協力している。
平和の守護神のハッキング手口は、2013年3月に韓国の銀行や放送局が受けたサイバー攻撃と酷似している。韓国政府はその攻撃について、北朝鮮の情報および工作機関である偵察総局の犯行とみている。
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