ADM、ココア事業を売却〜シンガポールのオラムに
- 2014年12月19日
- 米国ビジネス
穀物や食用油原料などの加工・販売大手アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM、イリノイ州)は18日までに、ココア事業を同業のオラム・インターナショナル(シンガポール)に13億ドルで売却することで同社と合意した。より利益率の高い事業に資源を集中させるため。
ウォールストリート・ジャーナルによると、 ADMはこの9月、チョコレート加工事業も同業カーギルに4億4000万ドルで売却しており、今回の契約でココア市場からは完全撤退する。
ADMは1997年にココア事業に参入したが、ココアは生産地が限定され、西アフリカが世界生産量の約4分の3を占める。このため比較的狭い地域の天候や政変で価格が大きく変動し、2011年には主要生産地のコートジボワールで輸出が禁止されたため、ココア先物価格が過去30年以上で最高に上昇した。
ADMのパトリシア・ウォーツ最高経営責任者(CEO)は、「ココア事業の売却で投資リターンが改善され、業績の不安定さも緩和されて株主にとって価値が高まる」と見ている。現在は香料や特殊食品材料など利益率の高い事業を強化しており、14年7月には同社では過去最大規模の買収を実施し、ワイルド・フレイバーズ(Wild Flavors、ケンタッキー州)を30億ドルで獲得した。
一方、オラムはナッツやスパイスの販売業者。すでにココア豆販売の大手だが、今回の買収でADMから計60万トンの年間生産力を持つ8工場と約1500人の従業員を引き継ぎ、加工能力は70万トンに拡大して、ココア業者としては世界のトップ3に躍進する。
買収手続きは、政府承認を待って15年4〜6月期には完了する見通し。
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