ロシア危機の再来懸念も 市場動揺、欧米は冷淡

 【共同】原油価格の低下に伴うロシアの通貨ルーブル急落が、世界経済に新たなリスクをもたらしている。市場では1998年の「ロシア金融危機」の再来を心配する声があるが、対ロ制裁を強める欧米は冷ややかだ。日本政府や日銀も市場の動揺を警戒しつつ、企業や家計にメリットがある原油安を歓迎している。

 「原油安は世界経済にとって朗報だ」。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は今月1日、原油価格が3割下落すれば先進国の経済成長率を0.8ポイント押し上げると指摘した。

 しかし原油安は想定を上回るペースで進み、原油先物価格は高値だった6月の半分程度まで急落した。天然ガスなど資源相場全体に波及し、資源国の通貨は軒並み値下がりしている。

 エネルギーを主力輸出品とするロシアにとって資源相場下落は致命的だ。資金流出が進み通貨ルーブルは年初から5割近く落ち込んだ。ロシア中央銀行が緊急利上げに踏み切ったが動揺は収まらない。

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