eメール、時には忘れよう〜「燃え尽き」リスク高まる恐れ
- 2015年1月14日
- 米国ビジネス
現代人のストレスの1つとして「テレプレッシャー(telepressure)」という新語が生まれている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、これは離れた場所にいる同僚、上司からのeメールやテキストにすぐ返信しなければと強迫観念を抱く状況を指し、どんな文面で返信すべきか繰り返し考えるような状態も含まれる。
ノーザン・イリノイ大学のラリサ・バーバー助教授(心理学)は最近、この症状に関する調査報告書(共著)をまとめた。近くジャーナル・オブ・オキュペーショナル・ヘルス・サイコロジーに掲載される予定。
調査では、労働者303人を対象に平日、週末、休暇中、病欠の時にどのくらいの頻度でeメールに返信するかを尋ねた。また、最近返信したメール2件のメールについて、受信から返信までにどれくらいの間を置いたかなども聞いた。
その結果、テレプレッシャーは燃え尽き症候群(バーンナウト)につながる可能性があり、強い義務感を抱いている労働者ほど「朝出勤する気力がない」「電池が切れたように感じる」と答えることが多いことが分かった。また、疲れを感じる、気持ちを集中できない、まとまった考え方ができないといった傾向も見られた。
メールの返信に執着する人は睡眠の質が悪く、体調不良で仕事を休む可能性も高く、より難しい仕事に取り組むよりも仕事をしているふりをすることに力を注ぐため、労働生産性も低下させる可能性があると、報告書は指摘する。
テレプレッシャーは、本人の性格よりも職場環境との関連性が強いようで、良い社員はどうあるべきかに関して暗黙または明確な合意のある組織ほど、労働者が職場における自分の立場に神経質になりすぎてテレプレッシャーを抱える傾向があるという。対策として、会社やチームで行動指針を作ることが有効なようで、メッセージへの返信は平日なら8時間以内、週末なら48時間以内に行うといった具合に、上司が明確な枠を設定する方法が望ましいという。
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