エクイニクス、クラウド製品を強化 〜 大手サービスへの直接リンクで顧客増

 データ・センター運営大手のエクイニクス(Equinix)は、クラウド製品を強化している。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、エクイニクスは、クラウド・エクスチェンジ(Cloud Exchange)とパフォーマンス・ハブ(Performance Hub)という二つのクラウド製品を2014年に投入した。いずれもこれまでに100件以上の顧客を獲得しており、大企業向けITの動向変化に寄与している。

 企業は、自社サーバーとクラウドを併用するハイブリッド型のデータ・センター基幹設備を一段と求めるようになっており、エクイニクスはその需要に応えている。同社のイハブ・タラジ最高技術責任者は、アプリケーション・レベルでの接続性を今年さらに強化すると説明した。

 クラウド・エクスチェンジは、おもなクラウド・サービスや通信網への安全な直接リンクを提供する。パフォーマンス・ハブは、企業のIT接続網を人口集中地域の近くに拡張できるようにする。

 エクイニクスは最近、大企業向けITの刷新サービスを専門とするニンボ(Nimbo)を買収しており、それらのクラウド製品を売り込む際のサービス業務の拡充にも注力している。

 「シングル・ポートからクラウドに直接アクセスしたいという要望がある。自動化を即座に実現し、またアプリケーション・レベルのパフォーマンスを追求したいと企業は考えている」「当社では今年、アプリケーション・レベルの統合を深め、『オフィス365』やグーグル、シスコ、IBMのパフォーマンスを保証する計画だ」とタラジ氏は話す。

 パフォーマンス・ハブは、エクイニクスのモデルを使用したいと思う企業にとって魅力的なエントリー・ポイントとなる。「多くの顧客を獲得した。非常に人気だ。バックボーンのアップデートといった問題を解決し、ほとんどのケースでコストを40%前後削減できている」とタラジ氏は話す。

 クラウド・エクスチェンジは2014年末時点で世界の主要19市場で利用されている。マイクロソフトのアジュール(Azure)とシスコのクラウドはそのうちの16市場で利用でき、グーグルは15市場、IBMは9市場、アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)は8市場で利用可能だ。

 「すごい勢いで技術革新しているそれらの大手クラウド・プロバイダーに焦点を合わせる」「当社も技術革新しており、彼らと近い位置を保っている」「顧客は、単純かつ自動、そしてシームレスをデータ・センターに求めており、統合に煩わされたくないと思っている」とタラジ氏は言う。

 クラウド・エクスチェンジは最近、API(application programming interface)管理サービスのアピジー(Apigee)との協力を通じて、エクスチェンジ内で複数のクラウド・プロバイダーと自動的に接続できるようになった。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る