米工場でロボット導入増える〜コスト低下と性能向上で

 米国内の工場では今後10年間、コストの低下と性能の向上を背景に産業用ロボットの導入が加速するとの見通しを、市場調査ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が発表した。

 USAトゥデイによると、BCGは最新報告書で、ロボットの進化が生産性を飛躍的に高め、安い労働力を求めて工場を世界各地に移してきた長年の慣行を鈍らせると予測している。BCGの上席パートナー、ハロルド・シルキン氏は、「最新式ロボットが製造の仕組みを変える」と指摘した。

 作業自動化の恩恵を最大限に受けるのは米国、カナダなど数カ国で、米国では2025年までに約120万基のロボットが新しく開発される見通しだ。産業別ではコンピュータ・電子製品、電気設備・家電製品、輸送、機械の4分野で大きく伸びるという。

 BCGによると、現時点で製造部門の自動化率は約10%だが、ロボットの視覚センサーやグリッピング(保持)システムの向上で、25年までに約25%に上昇する見込みだ。

 同時にコストの低下も進み、最新式スポット溶接ロボットの購入・起動コストは05年の18万2000ドルから14年には13万3000ドルに低下し、25年にはさらに22%下がる見通し。

 BCGによると、製造業者は通常、人件費が15%以上節約できると見込まれた時点でロボットの購入を決める。しかし電子機器の製造では既に、人間の平均時給24ドルに対してロボットの稼働コストは1時間当たり4ドルまで低下している。

 国内工場のロボット導入数の伸びは、現在は年2〜3%だが、今後2年間に10%まで高まる見通しだという。

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