原油価格、20ドルまで下落も〜シティグループ最新報告書

 シティグループは、最近の原油価格の上昇を一時的な動きに過ぎないと考えており、近く1バレル=20ドルまで下がる可能性を指摘しながら2015年の年間価格予想を再び下方修正した。

 ブルームバーグ通信によると、シティのエドワード・モース商品調査担当世界責任者は、9日に電子メールで送付した報告書で「世界的な消費支出の低下で最近は石油価格が少し上昇しているが、米国の原油生産は依然として増えているほか、ブラジル、ロシアは記録的なペースで生産を続けており、サウジアラビア、イラク、イランはアジア向けの価格を下げてシェアの維持を図っている。市場は供給過多で貯蔵タンクは満杯状態」と指摘した。

 モース氏はさらに「生産縮小は今年第3四半期以降になる可能性が高く、それまでに米国産標準油種WTIは現在の1バレル=約52ドルから20ドル近辺まで下げ、『しばらく』続く可能性がある」と述べた。

 石油輸出国機構(OPEC)については、米国のシェール革命によって価格操作で産油国の利益を最大まで高める力をなくしており「OPECが古いやり方に戻る可能性は極めて低いと思われる。過去の市場危機ではアナリストの多くが『これでOPECは終わり』と見ることがあったが、今度こそこれまでとは違う可能性がある」と予想した。

 シティは、ブレント原油の年間価格予想で今年2度目の下方修正を行い、45〜55ドル台は維持できず、石油投資の引き揚げを招き、第4四半期には75ドルに回復するものの15年の年間平均は54ドルになる可能性が高いと予想している。

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