IBM、公益会社向け分析プラットフォームを構築 〜 クラウドでデータを統合
- 2015年2月16日
- 環境ビジネス
IBMは、エネルギー業界の企業や公益会社のための新しい分析プラットフォームを構築した。
トーマスネット誌が報じたIBMの発表によると、同プラットフォームはクラウド技術を活用し、エネルギー生成から送配電まであらゆる分野にわたる巨大かつ大量のデータを分析することで、会社の意思決定を支援する。
「IBMインサイツ・ファウンデーション・フォー・エネルギー(IBM Insights Foundation for Energy)」と命名された同プラットフォームは、個々の変圧器のレベルから送電網全体まで幅広い角度の可視性をもたらす。
IBMは、傘下のソフトレイヤー(SoftLayer)のデータセンター施設を介してIBMインサイツを提供する計画だ。
IBMインサイツは、高度の分析やデータ統合、視覚化を通じて、発電と送電に関連する保守および管理や修理の計画策定を支援するだけでなく、再生可能エネルギーの予測も可能にする。さらに、カスタム分析をサポートするため、企業独自のニーズに合わせて調整することもできる。
資産分析機能には、資産状況の測定や保守予想、リアルタイムのリスク評価も含まれる。データ履歴や保守記録、運用状況データといった資産に関する情報をすべて1ヵ所にまとめて表示する。
公益会社やエネルギー提供会社ではサービスの継続性が何よりも重視される。そのため、必要性の有無にかかわらず定期的に保守を行うのが業界慣行だ。IBMインサイツを活用することによって、資産の残り寿命を考慮して保守に関する意思決定を下すといった運営への取り組みを最適化できる、とIBMは説明している。
IBMインサイツは、イングランドとウェールズで高圧送電網を運営しているナショナル・グリッドによってすでに導入された。「350ヵ所に分散した事業資産のデータをすべて集めて単一ポータルにまとめ、さらなる分析を行って顧客に価値をもたらす機能が当社には必要だ」と、ナショナル・グリッドの送電網資産管理責任者デイヴィッド・ライト氏は話している。
ナショナル・グリッドはIBMインサイツを導入して、あらかじめ設定した条件にもとづいて予防的保守を計画する資産管理取り組みへと切り替えた。送電網の信頼性を維持しながらコスト削減を達成できている、とライト氏は述べた。
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