スレッド・グループ、IoT通信網規格を発表 〜 クアルコムが支持を表明
- 2015年7月17日
- ハイテク情報
業界団体のスレッド・グループ(Thread Group)は、モノのインターネット(IoT=Internet of Things)の新たな通信網規格「スレッド」を策定し、加盟企業に公開するとともに、クアルコム(Qualcomm)の団体加入と取締役就任を明らかにした。
無線通信技術大手のクアルコムが加わったことで、スレッドを採用する企業が増える可能性がある。
スレッド・グループは、グーグル(Google)が支援する団体で、約1年前に設立された。現在は160社以上が参加している。
コンピュータワールド誌によると、スレッドは、家庭内の電子機器を接続する通信プロトコールで、室温自動調節器や照明、セキュリティー・カメラといった機器を近距離無線接続網で接続し、安全な省電力メッシュ通信網を作る方法の一つとして策定された。
会員企業は今後、スレッド規格を基盤にした機器やソフトウェアの開発が可能になる。
スレッド・グループは、スレッド仕様製品の認定作業を9月から開始する計画で、対応製品は2015年第4四半期にも市場に登場する見通しだ。
スレッドは、通信向け仕様であり、アプリケーションの層を追加することで、たとえば機器の機能発見といった高次機能を追加できる。
その一環として、スレッド・グループは、近距離無線通信規格の標準化団体であるジグビー同盟(ZigBee Alliance)と協力し、ジグビー・クラスター・ライブラリー(ZCL=ZigBee Cluster Library)アプリケーション・レイヤーとスレッドの互換性確立に着手した。
クアルコムが開発したオールジョイン(Alljoyn)ソフトウェア・フレームワークも、今後はスレッドの上に追加される可能性がある。
オールジョインは現在、IoT標準化団体オールシーン同盟(AllSeen Alliance)が管理しており、オールシーンとスレッド・グループが今後協力すれば、オールジョイン参加機器メーカーが通信規格としてスレッドを採用する可能性が一気に高くなる。
ソフトウェアの枠組みとしては、オープン・インターコネクト企業連合(Open Interconnect Consortium)と、クアルコムと競合するインテル(Intel)が提唱するアイオーティヴィティー(IoTivity)もあるが、スレッド・グループは現時点でどちらを支持するかを表明していない。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年5月20日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
人工知能が農業におよぼす大きな変革 〜 遺伝子情報を駆使した品種改良に貢献
-
米技術大手ら、メキシコでの製造拡大に注力 〜 台湾の技術製品メーカーらに熱心に働きかけ
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至