ウーバー運転手の組織化に道〜シアトルで初の条例案可決

 ワシントン州シアトル市議会は14日、携帯アプリケーションを使ったタクシーの配車サービス「ウーバー」などの契約ドライバーが労働組合に加入することを認める条例案を全会一致で可決した。

 シアトル・タイムズによると、エド・マレー市長は署名しない意向だが、条例成立に市長の署名は必要ない。全米労働関連法(NLRA)は労働者の団体交渉権を認めているが、タクシーやハイヤーおよびウーバーやリフトのような会社のドライバーは被雇用者ではなく独立契約者に分類されるため、連邦法による保護は適用されない。

 契約ドライバーが賃金や労働条件などに関して雇用主と団体で協議するための枠組みを構築したのは、全米都市ではシアトルが初めてとなる。

 ウーバーやリフトは「連邦の労働法や反トラスト法(米独禁法)に抵触し、市は提訴される可能性が高い」との理由で条例案に反対し、マレー市長も採決前に議会に書簡を送り、条例化への態度を保留する旨を伝えていた。市長は、労使交渉に関連する公的コストや、裁判で条例の正当性を主張するためのコストなどを懸念している。

 これに対し、条例案を提出したマイク・オブライエン議員は「生活のために働くドライバーがいかに微力か知らされたことが発端で、必要に迫られて提出された条例案だ。労働基準の改善で全米を先導し続けるシアトルを誇りに思う」と喜んでいる。

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