ウォルマート・ストアズがこの1月、オンライン小売店との競合激化などを受けて国内で約150店舗を閉鎖した際、各地の在庫一掃セールにはアマゾンの第三者セラーが群がったという。安く買った商品をオンラインで売って利ざやを稼ごうという人々だった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ニュージャージー州のオンライン小売業者DWNYは、閉店するウォルマートのうち最も近いボルチモア店に26フィートのトラックと3人の社員を送り込み、ブロック玩具のレゴや映画スター・ウォーズ関連のパジャマなど3万5000ドル分の商品を買い込んだ。
サム・コーエン社主はこれらの商品をアマゾンで売れば10万ドルの収入になると見込み、レジで全商品の支払いを済ませるのに6時間かかったが「有意義な時間だった」と話している。
ミシガン州ハートランド店では、224ドルの防犯カメラから妊娠検査キットやコンドームまで、とにかく定価で売れそうな商品を約1万2000ドル分購入し、オンラインで8000ドル程度のもうけを見込んでいるキース・イェイプルさん(22)や、小型で高価なカメラなどを中心に1万ドル相当の商品を5000ドルで購入したネイサン・スレイマンさん(23)もいた。
閉鎖したウォルマートの大型「スーパーセンター」や都市部の小型「エクスプレス店」では、在庫処分のため年初から商品が50%引きとなり、最終的には75%引きとなった。
ウォルマートは、eコマースを含む米小売売上高が2014年の前年比3.9%増から15年には2.1%増に減速、09年以降で最も小幅な伸びとなり、店舗の閉鎖と約1万人の人員削減でコスト削減を図っている。
店舗を減らす小売業者は同社に限らず、16年はメイシーズが36店、ギャップは北米店舗の4分の1を閉める予定。一方、アマゾンは15年第4四半期売上高が前年同期比22%増となり、四半期ベースでは過去最大の純利益を記録した。特に同サイトに店を構える第三者セラーの販売増が目立ち、発送商品全体のほぼ半数を占めた。
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