マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究班は、テスラ・モーターズ(Tesla Motors)の創業者で最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が提唱した超高速走行システムのハイパーループ(hyperloop)に使われる乗り物の設計案競争で1位に選ばれた。
テキサスA&M大学で開かれた同大会には20以上のチームが参加した。準優勝はデルフト工科大学(オランダ)の研究班。1月30日の表彰式にはマスク氏が予告なしで登壇し、会場をわかせた。
フォーブス誌によると、ハイパーループは、減圧された筒のなかを弾丸のような形状の乗り物が時速1000キロメートル以上で走行する次世代交通移動システムで、マスク氏が2013年に発表した白書のなかで初めて公表された。
今回の設計案競争大会では、車体だけの設計案が競われた。マスク氏は、ハイパーループの実験に着手する準備を進めており、同大会での優秀案を採用した車体を実験に使うとみられる。
ロサンゼルスに開設される実験場には約1.5キロメートルの筒が敷設され、いずれは200キロメートルに延長される見込み。2016年夏に実験が始まる予定だ。
ハイパーループの筒のなかは真空に近い状態まで減圧される。マスク氏の白書で28人乗りと描かれた車体は、先端部分から扇風機で吸い込んだ空気を圧縮して車体下部から噴出することで浮上する。
理論上は時速1200キロメートルも可能。排出ガスをまったく出さない大都市間超高速輸送手段として需要を見込める、とマスク氏は期待する。
ロサンゼルスとサンフランシスコの約610キロメートルをハイパーループで結ぶことが同氏の当面の目標で、実現すれば両市間を約30分で移動できる。東京と兵庫県または東京と青森県を30分で結べる速さだ。
ハイパーループを貨物輸送に使う構想もある。
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