シリコン・バレー拠点の新興企業ユニティー・バイオテクノロジー(Unity Biotechnology)は、老化を減速させ寿命を伸ばす新薬の開発が成果を上げていることを明らかにした。
米国の名門中の名門病院の一つであるメイヨー・クリニック(Mayo Clinic)が同社に投資していることも、ユニティーが注目される要素の一つとなっている。メイヨー・クリニックのほか、アーチ・ベンチャー・パートナーズがユニティーに投資している。
フォーチュン誌が報じたユニティーの発表によると、マウスを使った実験では、試験薬を投与されたマウス群の平均寿命が、そうでない群より8ヵ月長いという結果が出た。マウスの寿命は一般に約3年と言われることから、8ヵ月の差が出たことはきわめて大きな長寿命化効果があると言える。
同社によると、実験薬をマウスに投与すると、老化した細胞が体外に出される効果が高まるという。人間の中年期にあたるマウスへの実験薬投与では、蓄積脂肪の量が減り、視力障害も軽減されたほか、脳腫瘍の増殖も抑制された。
研究者らによると、マウスに使われた実験薬は人間に対しては効力がないが、今回の実験によって老化細胞の仕組みが一部解明されたため、人間に応用できる道が開けたと期待される。
同社の研究成果はネイチャー誌に掲載された。
一方、シリコン・バレー新興企業のカリコ(Calico)も、ユニティーと同様の新薬開発を進めている。カリコは、アルファベット(Alphabet)のラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)とアップルのアーサー・レヴィンソン会長によって2013年に起業された。カリコは、製薬会社の研究者らと共同で新薬開発を進めている。
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