人為的地震も危険予測に追加 〜 連邦当局、OK州は高リスク
- 2016年4月19日
- アメリカ発ニュース
石油や天然ガス業界が使う廃水圧入井と関連する地震が急増していることを受け、連邦地質調査所(USGS)は、地震の危険予測地図(ハザードマップ)に人的活動による誘発地震も組み込むことを決めた。
ロイター通信によると、地震ハザードマップは緊急事態対策機関のほか、土木や建築関連団体でも建造物に必要な強度の指標を作成する場合に使われており、誘発地震を含めるとハザード評価が大幅に高まる地域が出てくる。
米国の中部および東部では、約700万人が誘発地震の恐れがある地域で生活または仕事をしており、予想される地震被害がカリフォルニア州の高危険度地域と同水準になる可能性がある地域もある。
USGSによると、誘発地震による危険度が最も高い州はオクラホマで、カンザス、テキサス、コロラド、ニューメキシコ、アーカンソーと続く。オクラホマは、2015年にマグニチュード(M)3以上の地震が907回発生し、わずか2回だった09年と比べて劇増しており、16年2月にはフェアビュー周辺でM5.1という州史上3番目に規模の大きな地震が発生した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)原油先物の指標銘柄WTIの現物受け渡し地であり、原油6600万バレルが集積されているオクラホマ州クッシングでも原油タンクの近くで地震が起きており、関係者の間には深刻な懸念が広がっている。
石油やガスの掘削作業で出る塩水を捨てるための廃水圧入井は、以前から地震との関連性が指摘されており、オクラホマの規制当局はすでに多くの廃水井に作業の抑制を指示。こうした措置によって州中部および中北部では地震が減少している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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