カナダのトロント拠点の4Dリテール・テクノロジー(4D Retail Technology)は、小売店の商品管理や分析を支援するロボット製品を発表した。
同社の発表資料によると、4Dスペース・ジーニアス(4D Space Genius)と名付けられた同ロボットは、二輪電気車のセグウェイを土台にした本体に、スキャナーといったイメージング装置を搭載して店舗内を巡回し、どんな店でもすべての陳列棚の全商品の画像とバーコード情報を1時間以内に収集する。
小売店やメーカーの担当者らは、それによって集めた情報を使うことで、店内での商品陳列位置を正確に把握し、値札が正しく表示されているかどうかや、在庫が十分にあるかどうかを簡単に確認できる。
同社は、小売企業への販売用のロボットのほか、試用向けのロボットも開発した。試用向け製品は、北米と欧州の大手小売チェーン店向けに提供される計画だ。
小売店での在庫確認は、労力と費用のかかる手作業だ。4Dスペース・ジーニアスは、店内を巡回しながら大規模データ(big data)を収集し、使いやすいデータセットに処理することができる。
4Dスペース・ジーニアスは、すべての商品情報をスキャンしたあと、店内の双方向立体地図も作成する。現実感あるその画像を使うことで、仮想店舗のようなものを小売店がウェブサイトに掲載することも可能となる。消費者が閲覧できるようにすることや、本社の管理部門が業務目的に活用することもできる。
同ロボットが作製できる仮想店舗と電子商取引機能を統合すれば、オンライン販売のあり方が大きく変わる可能性もある。消費者は仮想空間で店内を歩き回りながら、棚に置かれた商品をクリックして、箱の裏側に書かれた商品情報を読んだりすることができる。
4Dスペース・ジーニアスには店舗管理アプリケーションも含まれている。売り上げデータを店舗内の場所と照らし合わせながら分析することで、配置や陳列の戦略を向上させるのに役立てられる。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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