法律で痩せすぎモデル減るか 〜 加州下院委、保護法案を承認
- 2016年4月27日
- アメリカ発ニュース
カリフォルニア州下院でこのほど、痩せることを目指す傾向が強いファッションモデルの摂食障害防止などを目的とする州法案が委員会承認を獲得し、立法化に向けた最初の関門を通過した。
ロイター通信によると、この法案は、広告・映画・娯楽産業が盛んな同州政府に、モデルの健康基準の設定と、モデルは契約したブランドの雇用者と見なすことを義務付ける内容で、4月初め下院労働および雇用委員会で承認された。モデルを雇用者と見なすことで、性的な虐待や搾取および摂食障害リスクから守る狙いがある。
州法として成立するには、関係するほかの委員会や議会本会議を通過した上でジェリー・ブラウン州知事の署名を得る必要がある。知事は同法案を支持するかどうか表明していない。
法案提出者のマーク・ラビーン下院議員(民主)は「法案の目的は労働者自身の健康を守るためだけでなく、モデルにあこがれる若者を助けることにある」と話す。しかし、タレント・エージェント組合は法案の効果に懐疑的で、カレン・スチュアート代表は「カリフォルニアのモデル・エージェンシーはすでに営業免許を取得しているため、新たに許可証の取得を義務付けるのは重複であり、問題解決の役には立たない」と見ている。
最近は、極端に痩せていることを求めるモデル業界の風潮がモデルに減量を強要しているとして、一部の国が状況の改善に取り組んでいる。フランスでは昨年、痩せすぎのファッションモデルの活動を禁止し、そのようなモデルを雇用した業者に罰金や最大6カ月の禁固刑を科す法律が成立した。イスラエルでも13年に同様の法律ができたが、イタリアやスペインでは業界の自主的な行動規範に依存している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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