IT業界の主要13団体が5日までに、大統領候補に宛てて連名の公開書簡を送り、自由貿易や外国人雇用の確保など多岐にわたる要望を行った。大統領選に絡めて業界がこぞって共通の見解を示すのは今回が初めてという。
ロイター通信によると、主要団体にはインターネット協会、米国電気通信工業会(TIA)、米国情報技術工業協議会(ITI)などが含まれ、アマゾンやウーバー・テクノロジーズ、アップル、フェイスブックといった企業が加盟する。公開書簡はどちらかの政党に肩入れする内容ではなく、7月の両党大会に先立って綱領という形で業界の要望を明示する目的がある。大統領候補には、環太平洋経済連携協定(TPP)の支持や外国人ハイテク労働者を雇用しやすくするためのビザ枠拡大などを呼びかけている。
各社が管理するユーザー・データへの政府機関のアクセスは最小限にとどめることや、情報の暗号化は重要な安全保障ツールと認識すること、オンライン検閲の防止やシェアリング経済の支持、税法の簡素化なども求めている。
発効に議会承認が必要なTPPに関しては、共和党候補になることがほぼ確実になったドナルド・トランプ氏、民主党候補争いの先頭に立つヒラリー・クリントン氏ともに反対の立場を取っている。
高技能労働者向け短期就労ビザ(査証)「H-1B」の発行枠拡大については、トランプ氏は3月の共和党候補者討論会で真っ向から反対せず、「この国には有能な人材が必要なので立場を軟化させている」と述べた。クリントン氏は拡大を支持している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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