「開運DM」で商品買わせる 〜 当局、国際郵便詐欺を停止に

 連邦司法当局は11日までに、開運を告げる占い師らの言葉を織り込んでモノやサービスを売り込む手紙やダイレクトメール(DM)を送りつけ、高齢者を含む国内の100万人以上から計1億8000万ドルをだまし取っていたサイキック(霊能力者)絡みの国際郵便詐欺を機能停止にしたと発表した。

 ロイター通信によると、連邦裁判所はこのほど、カナダ・モントリオールのインフォジェスト・ダイレクト・マーケティング(Infogest Direct Marketing)、香港のデスティニー・リサーチ・センター(Destiny Research Center)のほか6個人に対し、米国の郵便制度を使って、サイキック、占い師、預言者などの広告、宣伝、勧誘メールを送ることを禁じた。

 2000年から始まった心霊詐欺は、マリア・デュバルとパトリック・グエリンというフランス人サイキックが個人にあてたように見える手紙を送り、宝くじに当たるといった幸運を予言したと伝えしながら、商品やサービスを購入した人には確実にその幸運が訪れると信じ込ませる手口。例えば「デュバルとグエリンは、あなたが50ドルを払って神秘のお守り(mysterious talisman)と『My Invaluable Guide to My New Life』という書籍を買えば大金を手にするという明確なビジョンを見た」などと売り込んでいた。

 司法当局によると、一度こうした商品やサービスを購入するとさらに大量の勧誘メールが届くようになり、この10年で送られたメールは5600万通を超えるという。今回はニューヨーク東部地区のロバート・ケイパーズ連邦検事が、セントラル・アイスリップ連邦地裁のサンドラ・ファウアースタイン判事から同意判決を取り付けた。被告はいずれも罪状を否認している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る