米金融業界の一部は最近、ATMの利用におもに使われてきた従来の認証語ではセキュリティーを十分に確保できないと判断し、生体認証技術を導入している。
ニューヨーク・タイムズによると、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェイス、ウェルズ・ファーゴ、キャピタルワンといった銀行の利用者の多くは最近、スマートフォンで自分の銀行口座にアクセスする際に指紋認証を使っている。
ウェルズ・ファーゴの場合、新興企業アイヴェリファイ(EyeVerify、カンザス州)と共同開発した眼球スキャン技術を一部の企業顧客に提供している。会社の口座にアクセスしたり多額の送金を行ったりする経理担当者は、スマートフォンで目をスキャンして本人認証を受けている。
銀行大手は、生体認証技術を数十年前から実験してきたが、本格導入できるほどに精度やコスト効果が高まったのは最近になってからだ。これまでは、照明の具合で顔が十分にスキャンされないといった課題のほか、騒音や喉の炎症で音声認識できないといった障害もあった。
ただ、生体情報を使うことには、金融機関が保存する利用者たちの指紋や眼球、声紋の型を悪用される恐れが出てくる。認証語は簡単に変更できるが指紋は変えられない。
そのため、金融機関では、録音ではなく生の声かどうかを判断する音声認識システムや、写真が使われないよう瞬きや眼球の動きを要求する眼球スキャンといった追加防衛措置も開発している。
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