個人間デジタル送金で競争〜大手行とシリコンバレー企業

 大手銀行3行が個人間(P2P)のデジタル決済仲介を目的に5年前に設立した合弁事業クリアエクスチェンジ(clearXchange)がこのほど即時決済サービスを開始し、先行するシリコンバレー企業との市場競争が激化している。
 
 ウォールストリート・ジャーナルによると、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカが11年からサービスを提供しているクリアエクスチェンジは、eメールアドレスや携帯電話番号を使って当座預金口座間の送金ができる。異なる銀行の口座でも可能で、従来は決済に最高3日かかっていたが、このほど即時支払いが可能になった。
 
 金融機関情報オートノマス・リサーチのアナリストは「銀行の動きはタイタニック号の針路変更並みに時間がかかるものだが、今回は一致団結して競争を決意している」と見ている。クリアエクスチェンジには最近、USバンコープとキャピタル・ワン・ファイナンシャルも加わり、今後さらに加盟行が増える見通しで、来年には名称も新しくする予定だという。
 
 P2Pの電子決済では、ペイパル・ホールディングス(PayPal Holdings)傘下のベンモ(Venmo)が、スマートフォンを使った送金アプリでミレニアル世代を中心に人気がある。クリアエクスチェンジの動きを受けてペイパルも今週、クレジットカード大手ビザとの契約を発表し、ペイパル、ベンモそれぞれのアプリケーション利用者が銀行口座への入金に即時アクセスすることを可能にした。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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