シリコン・バレーのベンチャー・キャピタル(VC)市場は2016年以降、2年間にわたる投資ブーム後に状況が急変した。その結果、新興企業の生き残りが厳しくなっている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、2014〜2015年には投資信託やヘッジ・ファンドの投資会社が新興企業に多額を投資したが、現在ではどの新興企業も「過大評価されている」「新規株式公開(IPO)の可能性は低い」とみられるようになった。2016年の技術系新興企業に対する投資額は前年比で30%も落ち込んだ。
将来性を有望視される一部の新興企業には現在でも投資が集まっているが、評価基準はより厳しくなっている。かつては比較的安全とみられ多額の投資を引きつけた企業が資金を使い果たし、新しい投資家や買い手を見つけられず事業閉鎖に追い込まれる例も増えている。
ダウ・ジョーンズ・ベンチャーソースによると、米国では2014年と2015年に5000社以上の技術系新興企業が総額約750億ドルのVC投資を調達し、1990年代終盤のドット・コム・ブーム以降の2年ごとの実績では最多を記録した。
その多くは少数の企業に集中し、294社がそれぞれ5000万ドル以上を集めた。しかし、その4分の3に相当する216社は、2015年以降に資金を調達できず、買収もされていない。新興企業は通常、12〜18ヵ月ごとにVC投資を調達するが、2016年以降、高額投資をかつて集めた多くの新興企業が調達できていない。
最近の例では、計1億ドル以上を集めたモバイル・アプリケーション検索のクイクシー(Quixey)が事業閉鎖に追い込まれた。また、5億ドル以上を調達した医療保険ブローカーのゼネフィッツ(Zenefits)も社員のほぼ半数を解雇した。
そのほか、1億3200万ドルを集めたブロギング・プラットフォームのミディアム(Medium)は社員の3分の1を削減している。さらに、オンライン中古車販売事業ビーピ(Beepi)は、社員270人のほとんどを2016年12月に解雇し、2017年2月に事業清算を発表した。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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