データ・センターの革新を続けるマイクロソフト
- 2013年2月13日
- ハイテク情報
マイクロソフト(Microsoft)のデータ・センター累積投資額が150億ドルを超えた。
1989年にワシントン州レドモンドの本社敷地内に建設した同社初のデータ・センターは敷地面積が8万9000平方フィートと、今日の標準では質素なものだった。
現在ではデータ・センターの大型化が進み、同社のデータ・センターは、ビング(Bing)やスカイプ(Skype)、ウィンドウズ・アジュール(Windows Azure)といった同社インターネット基盤製品を支えている。
ワイヤード誌によると、マイクロソフトはデータ・センター改革に取り組む数少ないインターネット大手企業の一つだ。
グーグル(Google)やアマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)と同様にマイクロソフトは、何十億台ものパソコンとモバイル端末向けにバックエンド電算を提供する大型かつ高信頼データ・センターを建設している。
それらの企業に共通するのは、コンピュータを独自に設計し、通信網プロトコルやスイッチのコードまでも独自に書いていることだ。
マイクロソフトは大規模データ・センターの完全かつ独自設計に2006年に着手した。第一号はワシントン州クインシーの50万平方フィートの施設で、その後はシカゴ、ダブリン、テキサス州サンアントニオ、バージニア州ボイトンに建設している。
向こう数ヵ月以内には、ワイオミング州シャイアンで1億1200万ドルを投じるデータ・センターを開設する予定。そこでは「データ・プラント(Data Plant)」と呼ばれる550万ドル規模の実験を行う計画で、地元の下水処理場で抽出されるメタンをエネルギー源とする可動型データ・センターを複数建設する。
一方、同社が最も注目するのは、ソフトウェアを使ったデータ・センター運営の改変だ。その一つが、同社独自のサーバー・コンテナ「ITPAC」を使った取り組みだ。貨物用コンテナにサーバーを最大2500台収納するモジュール型は、屋内外を問わずどこにでも設置できる。
シカゴのデータ・センターでは、予備保存用発電機を使わないITPACを複数装備している。モジュール型データ・センターは何年も前から存在するが、マイクロソフトの取り組みは先進的と言える。
同社は現在、そのモジュール型データ・センター向けに、たとえば台風で停電の可能性があるデータ・センターの電算処理を、停電の恐れのないデータ・センターに移行させるソフトウェアの開発に取り組んでいる。
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