雇用改善に応じてQE3縮小 セントルイス連銀総裁
- 2013年2月21日
- アメリカ発ニュース
【共同】セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は21日、ニューヨーク市内で講演し、住宅ローン担保証券(MBS)と米国債の追加購入による量的緩和第3弾(QE3)について「新たなマクロ経済の成果に関する情報が入ってくるに従って資産購入のペースを改めなければならないかもしれない」と指摘した。その上で「労働市場がやや改善すれば、完全停止ではないとしてもペースをやや遅らせることはできるだろう」と述べて、雇用情勢の見通し改善の程度を見極めながら買い入れ規模を縮小すべきだとの認識を示した。
総裁は雇用情勢の「著しい改善」を測る上では、失業、雇用、労働時間や求人件数など「多角的な要因」を考慮することができると説明。連邦公開市場委員会(FOMC)は改善程度を判断しなければならず、購入ペースの変更によって国民に「重要な合図」を送ることになるだろうと述べた。ただ、著しい雇用改善は「短期間には実現しない」と慎重な見方も示した。
また、失業率については事実上のゼロ金利政策を解除する前提としている基準である6・5%と「2014年6月に交差する」と予測。経済変数に応じて政策金利の水準を定める「テイラー・ルール」とセントルイス連銀の予測に基づけば、政策金利は「本来13年8月に引き上げるべきだ」と指摘。13年8月から14年6月の期間は「金融刺激がより強力に」なることから、経済状況を判断しつつ適切な政策のかじ取りをすることが重要だとした。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる