アマゾン、車載IT市場開拓に着手

 アマゾン(Amazon.com)は、音楽を自動車に転送するためのアプリケーションを発表した。同社はキンドル(Kindle)を自動車に組み込むための布石として、同アプリケーションを出したと指摘される。

 ギガOMによると、同アプリケーションのクラウド・プレイヤー(Cloud Player)は、クラウド電算によって利用者が持つ音楽を無線通信でフォード車に転送で、アマゾンではそれを電子書籍にいずれ応用したいと考えているようだ。

 米国では、自動車運転中に音声書籍(本を読み上げる機能)を聴く利用者は多い。利用者のなかには、アマゾンの音声書籍「オーディブル(Audible)」をUSBに落として車内で聴いている人もいる。

 今すぐに音声書籍の車内逐次再生が可能になるわけではないが、電子書籍を読みかけの人がその続きを運転中に聴きたいという需要にアマゾンが応えようとしても不思議ではない。

 そのためには、電子書籍と音声書籍のフォーマットを用意する必要がある。それについては、追加料金を支払うことで両方のフォーマットを取得できるサービスがすでに始まっている。

 端末に関してはキンドルがあるため、キンドルを車載ITとしていかに統合していくかが課題になる。

 また、自動車メーカーが開発する音声認識システムに対応することによって、音声書籍を音声で操作できるようにすることも可能だ。

 アマゾンは過去2年間に音声認識技術企業のアイヴォーナ(Ivona)とヤップ(Yap)を買収している。アマゾンがキンドルを車載ITに仕立て上げることを視野に入れていることがうかがえる。

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