米国にかみついたカリスマ 魅力の毒舌、南米人の典型

 【共同】貧困層に絶大な人気を誇り「貧者の救世主」と呼ばれた。一方で、石油資源に依存しばらまきを続けた経済は破綻寸前ともされる。中南米左派政権を代表するカリスマ。反対勢力への舌鋒は鋭く、長時間の演説中に歌や楽器の演奏を交え、聴衆を飽きさせなかった。ブッシュ前米大統領を「悪魔」と呼んだ毒舌ぶりも魅力の一つだった。

 中南米の人々の心には、米国に対する反発と憧れが混在している。豊かで自由な暮らしへの嫉妬、自己中心主義への不満…。米国を常に意識しながら、かみついてきたベネズエラのチャベス大統領は中南米人気質を具現化していた。中南米諸国が独立を果たした直後、米国は1823年のモンロー宣言で中南米諸国を影響下に置くことを表明。以来、約200年。「米国の裏庭」を抜け出せずにいる。

 そこに新星のごとく現れたのがチャベス氏だった。1999年の大統領就任以来、豊富な石油資源を背景に「21世紀の社会主義」を掲げ、独裁的な手法で貧困層への富の分配を推進。米国に対する歯に衣着せぬ発言を繰り返した。

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