アップル、腕時計市場に参戦へ〜粗利益6割に期待

 アップルが開発中と伝えられる腕時計型情報端末「アイウォッチ(iWatch)」が、年内にも発売されるとの見通しが浮上している。粗利益がテレビ市場を大きくしのぐ時計業界に参戦すれば、グーグルとの新しい闘いが始まりそうだ。

■もうけはテレビの約4倍

 ブルームバーグ・ニュースによると、シティグループのアナリスト、オリバー・チェン氏は、2013年の世界の時計売上高を600億ドル以上と予測している。テレビと比べると小規模だが、時計販売の粗利益率は約60%といい、テレビのほぼ4倍に上る。

 アップルでは現在、主力製品のアイフォンやアイポッドの販売が減速している。また、サムスン電子など同業との競合激化、ティム・クック最高経営責任者(CEO)がいかに速く新商品を投入できるかに関する市場の懸念を反映し、昨年9月に再高値をつけた株価は3分の1以上下落している。

 チェン氏は時計市場への参入について、「アップルには60億ドルの商機につながる。アイポッドのように消費者の意表を突いた新機軸を打ち出せれば、商機はさらに拡大する」と話した。

 市場調査IHSエレクトロニクス&メディアによると、テレビ産業の13年売上高は1190億ドルの見通し。チェン氏の計算法を使うと、アップルが時計市場で10%のシェアを獲得すれば粗利益は36億ドルになり、テレビ市場で同じシェアを得た場合の17億9000万ドルを上回る。

■グーグルと新たな競合

 関係筋によると、アップルでは約100人が腕時計型端末の設計を担当している。採用が検討されている機能には、通話のほか、着信時の相手の身元表示機能、万歩計、心拍などの健康関連データ監視などがある。

 アップルの時計市場参入は、ウェアラブル(装着型)技術をめぐるグーグルとの新しい競争の始まりを意味する。グーグルが開発中の眼鏡型端末「グーグルグラス(Google Glass)」は、音声による操作で写真撮影、情報検索、動画の録画などができるのが特長。

 成熟した市場に参入し、使いやすい新技術で市場を塗り替えるアップルの力は証明済み。時計産業も、アイフォンの登場で一変した携帯電話市場と同様、変革を迎える日は近いかも知れない。

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