TPP交渉参加表明 首相「日米で新経済圏」

 【共同】安倍晋三首相は15日夕、官邸で記者会見し、高いレベルの貿易自由化を目指す環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加を正式表明した。米国とともにアジア太平洋地域で新たな経済圏をつくる意義を強調。日本の安全保障や地域の安定に寄与するとの見解を示した。先行参加国の承認を経て7月にも協議に合流する見通し。コメなど「聖域」として掲げる重要品目保護を念頭に「日本の農業、食を守ることを約束する」と言明した。

■農業改革へ問われる覚悟

 安倍晋三首相が、根強い反対論を押し切って環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を表明した。このタイミングで決断しなければ、アジア太平洋地域の貿易圏から取り残され、経済成長の機会を失うという危機感が背中を押した。

 だがTPPは関税撤廃が原則だ。どんなに厳しい姿勢で交渉に臨んでも、日本がこれまで高関税で保護してきた農産品を全て守り抜くのは不可能に近い。国内農業の足腰を鍛え、食料自給率を維持・向上させるために、痛みを伴う改革に踏みだす覚悟が問われる。

 国内の農家は高齢化が進み、担い手の不足が深刻だ。耕作放棄地も各地に広がる。とりわけ稲作は規模の小さい兼業農家が多いため生産性が低く、高い関税で安価な海外産から守られている。これらの課題は長年認識されているのに、政府は対応を先送りしてきた。

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