ハッカーら、サービスナウのセキュリティー脆弱性を悪用 〜 パッチ未実装の会社らを世界中で標的に

ハッカーらは、セキュリティー・パッチによって脆弱性をまだ修正していない会社らの企業通信網に侵入するために、サービスナウ(ServiceNow)に関する約1年前の三つの脆弱性を悪用したサイバー攻撃を強めている、とセキュリティー研究者らが3月20日までに警告を発した。

テッククランチ誌によると、脅威インテリジェンス新興企業のグレイノイズ(GreyNoise)は先日、三つのセキュリティー・バグの「CVE-2024-4879」「CVE-2024-5178」「CVE-2024-5217」として注視されている欠陥を標的とした「実環境における目立った活動の復活」を報告した。

それらのセキュリティー欠陥の影響を受けるのは、サービスナウが提供する法人向けバックオフィス業務効率化プラットフォームだ。多くの会社では、人材資源管理を合理化するために同社のクラウド・サービスを使っている。

それら三つの脆弱性は、アセットノート(Assetnote)の研究者らが2024年5月に最初に公表したものだ。サービスナウはそれを受けて、2024年7月にパッチを使って修正した。

それらを悪用した攻撃者たちの正体は不明だ。グレイノイズによると、過去1週間に観測された悪意ある活動の70%がイスラエル拠点の各種システムを標的としている。イスラエル以外では、ドイツや日本、リトアニアでも検出された。

米セキュリティー会社のリセキュリティーは、米国外のサイバー攻撃者たちがそれらを悪用して世界中の会社や政府機関を標的にしている、と警告を発した。リセキュリティーによると、エネルギー会社やデータ・センター会社、中東の政府機関、ソフトウェア開発者らがおもな標的になっている。

そのほか、サイバーセキュリティー会社のインパーヴァ(Imperva)によると、金融サービス部門を中心に、さまざまの業界の会社らの6000のウェブサイトに対する攻撃が観測された。

サービスナウの広報担当エリカ・ファルトゥス氏は、「ほぼ1年前」にそれらの脆弱性を知り、パッチですぐに修正したと説明した。「現在までのところ、サイバー攻撃による顧客会社らへの影響は確認されていない」と同氏は話した。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 環境編 子どもが生きいきと暮らす海外生活のために 両親の海外駐在に伴って日本...
  2. 2025年2月8日

    旅先の美術館
    Norton Museum of Art / West Palm Beach フロリダはウエ...
  3. 約6億年も昔の生物たちの姿が鮮明に残るミステイクン・ポイントは、世界中の研究者から注目を集めている...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040」を自身...
  5. ニューヨーク市内で「一軒家」を探すのは至難の業です。というのも、広い敷地に建てられた一軒家...
  6. 鎌倉の日本家屋 娘家族が今、7週間日本を旅行している。昨年はイタリアに2カ月旅した。毎年異...
  7. 「石炭紀のガラパゴス」として知られ、石炭紀後期のペンシルバニア紀の地層が世界でもっとも広範囲に広が...
  8. ジャパニーズウイスキー 人気はどこから始まった? ウイスキー好きならJapanese...
ページ上部へ戻る