医療記録のクラウド管理サービス 〜プラクティス・フュージョンの台頭
- 2013年4月12日
- ハイテク情報
医師が患者の医療関連記録を管理するためのクラウド・サービスを提供するプラクティス・フュージョン(Practice Fusion)は、診察を予約できるようにする新サービス「ペイシャント・フュージョン(Patient Fusion)」を開始した。
プラクティス・フュージョンはサンフランシスコの新興企業で、社名と同名の中核サービスは無料提供されている。同サービスを使用している医療従事者は15万人、サービス対象の患者数は6000万人に上る。
ニューヨーク・タイムズによると、新サービスは、一般の人々が同社のシステム上で診察を予約できるようにするもので、利用者が増えれば、広告媒体としての価値が生まれ、広告収入を拡大できる。
同社の台頭は、医療サービス市場にクラウド・サービスが浸透し始めた昨今の動向を反映した動きとも言える。
プラクティス・フュージョンは、医療試験所や薬局とも取引関係があり、たとえば、患者の医療記録が高コレステロール値を示していれば、その医療記録ページに関連試験のバナー広告を表示できる。
新サービスのペイシャント・フュージョンは、患者本人の許可に基づいて患者記録にアクセスし、参加している医師の診療スケジュールを参照する。また、診察を受けた患者が、毎回の診察後に医師のサービスについて評価できるプラクティス・フュージョンの機能とも連動する。
プライバシー侵害を懸念する向きもあるが、患者個人を特定できる情報を広告主に開示することはない。
新サービスへの参加を表明した医師はすでに2万7000人に達する。この人数でも150万件の評価を引き出し、4月だけで300万件の診察予約サービスを提供できる、と同社のハワード最高経営責任者は説明する。
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