米IT企業がアイルランドで事業拡大 〜低税率が魅力、景気回復に貢献
- 2013年4月12日
- ハイテク情報
アイルランドの低税率に引かれて、米国のIT企業が同国首都のダブリンに集まりつつある。
ビジネスウィーク誌によると、ダブリンを流れるリフィー川の南にあるグランド・カナル・スクエアーは、別名「グーグル・タウン」と呼ばれている。アイルランドで2500人以上を雇用するグーグル(Google)は、この地にある15階建ての建物を2011年に買収し、大手雇用主になっている。
その近くには、フェイスブック(Facebook)の欧州本社をはじめ、リンクトイン(LinkedIn)やヤフー(Yahoo)の事務所もあり、米IT企業のなかには過去10年以上にわたってダブリンを拠点としてきた企業もある。
いずれも、一律12.5%の法人税に引かれて、ここでの事業拡大を選んだ企業だ。米国の法人税は35%、フランスでは33%、イギリスは24%となっている。
アイルランドの経済開発機関IDAアイルランドから支援を受けたアップル(Apple)やペイパル(PayPal)、シスコ・システムズ(Cisco Systems)、ドロップボックス(Dropbox)といった米IT大手を中心とした外国ハイテク企業が、2012年にアイルランドで創出した新規雇用は1万2722件にも達する。
アイルランドが675億ユーロ(約875億ドル)の財政援助によって経済再生に着手してからわずか2年。IT企業による物品およびサービスの輸出高は2012年に1706億ユーロに達した。2007年の1563億ユーロより9.1%増えた計算だ。
欧州連合(EU)傘下の欧州委員会では、2013年におけるアイルランドの成長率を1.1%と予測しており、ユーロ経済圏で3番目に高い。
アイルランドのIT業界新規雇用の多くは、外国人労働者で占められる。ペイパルがアイルランドで追加する1000人のうち約40%は、特定の言語力を持った外国人が雇用される見通し。
とはいえ、「それらの社員がアイルランドにお金を落とすことに変わりはない」「住宅からコーヒーまで経済的波及効果は大きい」と、ペイパルのグローバル業務担当副社長ルイーズ・フェラン氏は話す。
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