モバイル・クラウドがエネルギーを大量消費 〜メルボルン大学が警鐘

 携帯機器から様々なサービスにアクセスする人が増えるなか、無線通信網を介したクラウド・サービスが膨大なエネルギーを消費するようになると指摘される。

 エネルギー・マネジャー・トゥデイ誌によると、メルボルン大学のエネルギー高効率通信研究所(センター・フォー・エネルギー・エフィーシェント・テレコミュニエーションズ=CEET)の最新報告書「The Power of Wireless Cloud」では、クラウド生態系全体のエネルギー消費が著しく過小評価されていると警告する。

 CEETはエネルギー効率を高めるための通信網管理改善方法を研究している。

 無線通信網を使ってアクセスされるグーグル・アップスやオフィス365、アマゾン・ウェブ・サービシズ、フェイスブック、ゾーホー・クラウド・オフィスといったモバイル・サービスの人気によって、モバイル・クラウドが消費するエネルギーは大幅に増加している。

 同センター(CEET)では、無線通信網経由のそういったクラウド・サービスが消費するエネルギーは2012〜2015年に460%増加すると予想している。これは新車460万台分のエネルギー量に相当する。

 そのうち90%はワイファイとLTEを含む通信網基幹設備が占め、電力大量消費源として批判されてきたデータ・センターが占める比率はわずか9%にとどまる見通しだ。

 CEETのケリー・ヒントン副所長によると、現代の無線通信網は本質的に効率が悪い。

 人々が無線通信サービスの利便性を手放す可能性は低いため、対応としては利用者間で通信網資源を共有する方法を増やすといったことが考えられる。しかし、いずれにしても技術自体の効率を大幅に高める必要がある。

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