フュージョン・アイオー、ネクスジェンを買収 〜ハイブリッドに事業拡大

 フラッシュ・メモリーのソリューションを開発するフュージョン・アイオー(Fusion-io)は、ストレージ・アプライアンスを開発するネクスジェン・ストレージ(NexGen Storage)を1億1900万ドルで買収した。

 ギガOMによると、ネクスジェンはフラッシュ・メモリーとディスク・ドライブのハイブリッド・ストレージを製造しており、総容量は192テラバイトに達する。フュージョン・アイオーは、そのフラッシュ・メモリー部分の技術を提供していた。

 フュージョン・アイオーでは今後、ネクスジェンのアプライアンスを販売するのではなく、別のブランド名でストレージ・アプライアンスを販売する。

 「ネクスジェンの技術をプラットフォームとして販売し、第三者企業がシステムを構築できるようにする」と、フュージョン・アイオーのデイビッド・フリン最高経営責任者(CEO)は説明する。

 ストレージ・ストラテジーズ・ナウ(Storage Strategies NOW)のジム・ベーグリー氏は、フュージョン・アイオーにとって今回の買収が好ましい戦略だと評価する。

 フラッシュのみのストレージ・アレーは10億ドル未満の市場に留まるが、ハイブリッド・ストレージ・アレー市場は今後数年間に売上高が数十億ドルに達する見込みだ、とベーグリー氏は予想。

 フュージョン・アイオーの2013年第1四半期(同社の会計年度で第3四半期)の売上高は前年同期比7%減の8770万ドルとなり、純損失を前年同期の470万ドルから2000万ドルに拡大させた。この数値は、フュージョン・アイオーが市場拡大の必要性に迫られていることを示している。

 フュージョン・アイオーには、アップル(Apple)とフェイスブック(Facebook)という2大顧客がいるが、今後は顧客開拓の競争がし烈化するとみられる。

 IBMが10億ドルを投じてフラッシュ戦略強化に最近乗り出したほか、ストレージ大手のEMCでも「PCIエクスプレス」標準に準拠した新しいフラッシュ・メモリー・カードを投入している。

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