サムスン、湾曲画面テレビを韓国で発売〜大型OLED、1万3000ドル
- 2013年7月1日
- ハイテク情報
テレビ製造世界最大手の韓国サムスン電子(Samsung Electronics)は、画面中央部分がくぼんだ55インチ型有機ELテレビ(カーブドOLEDテレビ)の販売を韓国で開始した。価格は1万3000ドル。
湾曲画面テレビは、同じ距離でどの角度からでも高画質を楽しめる、とサムスンは説明している。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、サムスンはまず、韓国国内20店舗で同製品の販売を開始する計画だが、その後の展開については明らかにしていない。
サムスンやLG電子(LG Electronics)、ソニーらのテレビ製造大手は、既存の液晶テレビより軽量かつ省エネで画像も鮮明なOLED技術と、解像度を現行フルHD(高精細)の4倍に向上させた超高精細(ウルトラHD)という二つの技術に力を入れている。
OLEDは、大型画面の大量生産が技術的に難しく、サムスンは長らくスマートフォン向けの小型OLEDディスプレイに特化してきた。
ソニーは世界初のOLEDテレビ(11インチ型)を2007年に発表したが、その後、大型ディスプレイの生産効率化に苦戦。液晶テレビに比べて高額なOLEDテレビを購入する消費者がいない限り大きな損失につながると判断し、ここ6年間はOLEDテレビを生産していない。
ソニーのテレビ事業は9年連続の赤字で、消費者向けOLEDテレビについては今後の事業方針を明らかにしていない。
しかし、ソニーは2013年1月の米消費者電子製品見本市(CES)で超高精細56インチ型OLEDテレビの試作品を出展。また、OLEDパネルの製造手法開発についてパナソニックと協力関係にある。
一方、サムスンは、製造コストを下げられるという見込みに基づき、OLEDテレビの宣伝に以前から注力している。
サムスンは、大型OLEDテレビの市場が十分に拡大するまで、利益確保のために最低でも向こう数年間は既存のLCDテレビを主力製品として製造する必要がある、と業界専門家らは分析している。
サムスンでは、家電部門の利益率が需要鈍化を背景に低下しており、2013年第1四半期には2%まで悪化した。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める