世俗とイスラム、社会分断 混迷する「アラブの春」後

 【共同】エジプト暫定政権によるモルシ前大統領派に対する弾圧で900人以上の死者が出たことで、世俗派とイスラム勢力の対立は決定的になり、和解は当面不可能な状況に陥った。中東民主化運動「アラブの春」が波及した国では、いずれも同様の対立やイスラム教の宗派間抗争が激化、社会の分断が進み、中東地域全体の混迷につながっている。

 「過激派」「野蛮な行為を繰り返すテロリスト」-。7月にクーデターを実行したエジプト軍主導の暫定政権は、モルシ氏の出身母体、イスラム組織ムスリム同胞団をこう断じた。国際社会の批判にもかかわらず「テロとの戦い」であると強調し、同胞団の弱体化を図る狙いだ。

 「アラブの春」で独裁政権が倒れた各国では民主化の過程で、選挙によりイスラム勢力が台頭。だが、憲法制定や新たな国造りをめぐる主導権争いが激化。エジプトではついに軍が実力で政治介入する事態となり、民主化は大幅に後退した。

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