シリコン・バレーに新たな強力ファンド登場 〜 データ分析の初期企業に特化

 ベンチャー・キャピタル・ファンドのビッグ・データ・エリート(Big Data Elite)は、大規模データ(Big Data)の分析技術に特化する初期(創業間もない)企業を対象とした6ヵ月間の育成プログラムを2014年1月から始動させる。

 ビッグ・データ・エリートは、シリコン・バレーで立ち上げられたばかりの新参ファンド。同ファンドは、シリコン・バレーで最も有名なエンジェル投資家の一人であるロン・コンウェイ氏をはじめ、ネットスケイプの開発者として知られる著名投資家のアンドリーセン・ホロウィッツ氏、ソーシャル+キャピタル・パートナーシップ、そして、ウォルマートにソーシャル・メディアを売却したアナンド・ラジャラマン氏からの出資によって設立された。

 ニューヨーク・タイムズによると、ビッグ・データ・エリートは、「ベンチャー実験室」と自らを位置づけ、大規模データの分析技術に関わる技術やサービスを専門とする起業間もない新興企業または起業家に照準を合わせ、6ヵ月間にわたって運転資金や人脈、事業案、助言を提供して育てる。

 ビッグ・データ・エリートは現在、投資対象先の選定手続きを進めており、20の新興企業または起業家に絞り込み、最終的には10社を選ぶ計画だ。

 選ばれた10社は、サンフランシスコにあるビッグ・データ・エリートの事務所でそれぞれの事業にあたる。10社を育成する助言者たちのなかには、フェイスブック(Facebook)やジンガ(Zynga)、ネットフリックス(Netflix)、リンクトイン(LinkedIn)、ライオット・ゲームズ(Riot Games)を含むシリコン・バレーの著名新興企業でデータ分析を専門とする技術者や幹部らが含まれる。

 アスター・データ(Aster Data)の共同創設者でビッグ・データ・エリートの創設にも寄与したスタモス・ヴェニオスとタソー・アーギョロスの両氏は、大規模データ起業家たちとシリコン・バレー投資業界を直結する橋を構築したかった、と話す。

 ネットフリックスやグーグル(Google)、アマゾン(Amazon)に代表される多くのインターネット・サービス企業は、消費者や利用者に関する膨大な量のデータの分析に事業の大きな部分を依存しており、データ分析技術の開発と導入に巨額を投じている。

 大規模データ分析はすでに、社会動向や消費者行動様式の分析および将来予想に使われ、あらゆる業界で数多くの企業によって採用され始めており、その傾向は今後もさらに強まることが確実視される。

 「2016年までには、企業における大規模データ関連予算はIT予算より大きくなるだろう」「大規模データはあらゆる部門や分野で必要とされている」と、ヴェニオス氏はマッキンゼーの調査資料を引用して強調する。

 ビッグ・データ・エリートは、最終的に10に絞り込んだ新興企業または起業家に15万ドルから100万ドルを投資し、その見返りとして6%の株と転換社債を受け取る。

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