ブラックベリーの身売り暫定合意、破談に 〜 社債を発行し、CEOを更迭
- 2013年11月5日
- ハイテク情報
カナダの金融持ち株大手フェアファックス・フィナンシャル・ホールディングス(Fairfax)がブラックベリー(BlackBerry)を47億ドルで買収するという暫定合意は4日、無効になった。それと同時に、ブラックベリーのトルステン・ハインズ最高技術責任者(CEO)の更迭が決まった。
ブラックベリーは、カナダのスマートフォン製造販売大手で、フェアファックス(トロント拠点)はブラックベリーの筆頭株主。深刻な経営難からの再建を模索中のブラックベリーに対し、フェアファックスとほかの金融大手がブラックベリーの90%を共同買収することで、同社を非上場化し再建を図るという暫定合意が9月に成立していた。
ニューヨーク・タイムズおよびファイナンシャル・タイムズによると、ブラックベリー代表取締役会と、同社再建のために編成された社内特別委員会は、当面の資金繰りを確保するために、10億ドルの転換社債を発行し、フェアファックス率いる投資会社連合がそれを購入する。フェアファックスの出資分は2億5000万ドル。
その手続後にハインズ氏はCEOを解任され、ジョン・チェン氏(58)が取締役会長兼暫定CEOに就任する。チェン氏は、業務用ソフトウェア業界のベテランで、最近までSAP傘下のサイベイス(Sybase)の幹部を務めていた。
関係筋によると、フェアファックス率いる投資会社連合の一部とフェアファックスは、ブラックベリー買収案の詳細について意見が食い違い、妥協点を見つけることができなかった。その結果、協議は座礁し、今回の買収案破棄にいたった。
ブラックベリーの取締役会では、フェアファックスへの身売り案暫定合意と並行して、ほかの選択肢も模索してきた。ブラックベリーの創業者二人と米投資大手の連合に身売りする案と、フェイスブックへの身売りという2案が浮上していたが、後者については価格に開きがありすぎたため交渉決裂した。
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