出稼ぎは米国以外で〜南米労働者、新興経済に向かう
- 2013年11月20日
- 世界のニュース
南米諸国で、出稼ぎ先に米国でなく自国に近い経済新興国を選ぶ労働者が増えている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、コロンビア出身のマルコ・アントニオ・セルナ氏(43)は、チリのサンチアゴ郊外にある小さなカジノで働きながら、本国の家族に毎月500ドルを送っている。チリでは現在、コロンビア人社会が拡大しているという。
海外送金サービス最大手のウェスタン・ユニオンによると、10年前は売上高の50%以上が米国で生まれていたが、送金総額が790億ドルに上った2012年には30%を下回った。
米国が世界最大の送金国でなくなるという見方はほとんどないが、出稼ぎ労働者の新興経済への移動は、最近の成長鈍化にもかかわらず着実に続いている。
世界銀行によると、高所得国への送金を含めた12年の海外送金総額は前年比約3%増の5180億ドルとなり、13年は約5500億ドルに達する見通し。これは開発途上国向け対外援助の3倍に相当し、多くの途上国にとっては海外からの直接投資よりも外国為替の方が安定した資金源になっている。
南米向け送金サービス大手バイアメリカズ(Viamericas、メリーランド州)のポール・ドワイヤー最高経営責任者(CEO)は、「他国からの送金額が米国に追い付くことはない。それでも、米国の厳しい移民政策で入国を拒否された労働者にとって、米国以外の国は貴重な出稼ぎ先になる」と話した。
前述のセルナ氏も、過去にチリで米国のビザ申請を2回行ったが却下された。現在はチリで合法的に働いており、もう米国に行くつもりはないという。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想