不要な血液から心臓病治療薬〜豪CSLが開発中

 オーストラリアの血液製剤大手CSLは、これまで薬の製造過程で廃棄してきた血液の不要な成分を使って、善玉コレステロール(HDL)を増やし心臓発作の再発を抑える薬を作ろうとしている。

 ブルームバーグ・ニュースによると、同社はこれまで、血友病、やけど、免疫疾患などの治療薬を作る過程で使わなかった血液成分を廃棄していたが、これからHDLを抽出して患者に投与すれば、動脈の炎症を抑え、肥大すると血管をふさいでしまうプラーク(血管のこぶ)を消滅させられるのではないかと考えている。

 同社が米心臓協会(AHA)の総会で報告した臨床試験中期(2a)の試験結果によると、この方法で、患者の動脈から悪玉コレステロール(LDL)が流出していることを示す主要数値が劇的かつ急速に増えたという。

 アンドリュー・カスバートソン主任研究員は「うまくいけばたくさんの命を救うことができ、会社にも多大な利益になる。重要優先課題として取り組んでいる」と話した。

 CSLは世界第2位の血液製剤メーカー。コレステロール抑制剤を開発するのはこれが初めてだが、市場調査IMSヘルスによるとこの分野の2012年世界売上高は336億ドルに上り、金融大手UBSは「薬が認可されれば最初の5年間に年間売上高が5億ドルに上る可能性がある」とみている。

 CSLは14年上半期に、欧米、日本、オーストラリアで心臓発作を起こした患者約1200人を対象とした臨床試験の次の段階(2b)を開始する予定。

 13年5月に発表された米国の研究では、心臓発作を起こした患者の約4分の1は1年以内に死亡し、半数は再入院している。患者の命を救うには、詰まって炎症を起こした動脈を迅速に治療する必要がある。

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