地熱発電、世界で盛り上がるか〜新興市場では忍耐必要

 アフリカ諸国を起点とする地熱発電市場の世界的な拡大に、エネルギー企業や投資家の期待が集まっている。

 リニューアブル・エナジー・ワールドによると、フロリダ州オーランドで先月、再生エネルギー業界の会議が開かれ、米国際開発庁(USAID)のアグネス・デースウィッツ氏が今年6月に開始した同庁のエネルギー開発計画「パワー・アフリカ」について説明した。

 パワー・アフリカは、エチオピア、ケニア、タンザニア、ガーナ、ナイジェリア、リベリアの計6カ国を対象とする地熱エネルギー開発事業。これまでにインフラ投資や技術支援で70億ドル以上を費やした。民間資本も、アフリカの財界を中心に同事業に140億ドル以上を投入しているという。

 計画に積極的な米国輸出入銀行のクレイグ・オコーナー氏は会議で、「意志とリソースはあるが、リスクの要素もある。アフリカの各国政府は融資を保証したがらないが、お墨付きが必要だ。パワー・アフリカを通じて確約が得られると期待している」と語った。

 米国地熱エネルギー協会(GEA)のベン・マテック氏によると、世界の地熱市場は堅調な拡大を続け、今年末までに発電力が1万2000メガワットに達する見通しだ。米企業の大半は2011年から12年にかけ、国内市場に力を入れてきたが、昨今は新興経済市場に目を転じているという。

 一方で、発電技術サービスTASエナジーのハリー・ディッキー氏は民間企業に対し、「アフリカやインドネシアで事業を展開して生き残るには、忍耐と粘り強さが必要」と強調した。新興国の多くは、買電契約(PPA)の起草や融資・許認可の仕組みに不慣れだという。

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