妊娠期から高血圧に注意〜女性の卒中リスク管理で新指針
- 2014年2月10日
- アメリカ発ニュース
米心臓協会(AHA)と米脳卒中協会(ASA)は10日までに、女性に限定した脳卒中発症の予防指針を発表した。青年期や妊娠中の健康管理で後年の脳卒中発症リスクを大幅に減らせるという。
ウォールストリート・ジャーナルによると、血圧やコレステロール値を健全な水準に保ち、健康的な生活をすることは男女ともに重要だが、妊娠適齢期の女性には特有の要因があるといい、両団体は女性に▽若いころから高血圧を抑制すること▽妊娠中に子癇前症(しかんぜんしょう、妊娠高血圧症候群の1つ)にならないよう注意すること▽経口避妊薬(ピル)の服用中は血圧を測ること▽喫煙をやめること…を勧告している。
米国では年間約79万5000人が脳卒中を発症しており、女性が半数をやや上回る。脳卒中は男性の死因では上から5番目だが、女性では3番目。世界の脳卒中発症者は年間1500万人に上り、600万人が死亡、500万人が不治の障害を抱えている。ほとんどの脳卒中は、脳に血液を送る動脈に血栓ができ、酸素が行き渡らなくなることが原因で起こる。
両団体は「女性は男性より寿命が長いといった理由から、脳卒中になった場合に受ける影響が大きい。社会が高齢化する中で、リスクの高い女性を特定して適切な予防措置を取ることは重要」と指摘した。特に高血圧の抑制が重要といい、妊娠前に高血圧を指摘されたことがある女性は、子癇前症にならないよう低用量アスピリン療法を検討し、食事とともにカルシウム分の摂取を増やすことを勧めている。
妊娠高血圧症候群は、けいれんを伴う重症になると子癇と診断され、いずれも出産中および出産後の脳卒中リスクが高まる。出産後には症状が消え、血圧も通常値になることが多いが、長期的な危険性は残る。
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