26年の自動車部品業界、倒産増加の可能性

2025年に北米および欧州で6万人以上の雇用を削減した自動車部品業界は、26年も厳しい局面が続くと見られている。

◇3分の1は利益なしを予想

オートモーティブ・ニュースによると、サプライヤーは自動車メーカーからの受注減、中国製部品の流入、高金利による利払い負担などで利益が圧迫される一方で、電動化やデジタル化といった新技術への投資が避けられず、経営環境は一層厳しさを増している。

特に小規模なティア3、ティア4企業は、26年に支払い不能、あるいは深刻な資金繰りの悪化に直面するリスクを抱えているが、調査会社ガートナーのアナリスト、ペドロ・パチェコ氏は「中堅あるいは大手サプライヤーでさえ倒産のリスクは内在する」と見ており、その結果「自動車メーカーにとってさらなるサプライチェーン(供給網)の混乱が生じる」と警告している。

自動車メーカー自身も収益に苦しんでおり、その負担が価格交渉などを通じてサプライヤーに転嫁される傾向が強まっている。欧州自動車部品工業会(CLEPA)の調査では、サプライヤーの7割が年5%未満の利益率しか見込んでおらず、これは技術、人材、生産能力への投資を続けるための最低水準を下回る。さらに約3分の1はほとんど利益なしか赤字を予想しており、雇用や研究開発、成長が深刻に脅かされている。

25年は独フォイト(Voit)、マレリ(Marelli、旧カルソニックカンセイ)、独aeグループなど複数のサプライヤーが破産や事業停止に追い込まれ、業界再編の動きは加速している。コンサルティング会社ローランド・ベルガーは、サプライヤーは「サバイバルモード(生き残りのための準備態勢)」に入り、コスト削減や業務効率化、技術革新を進めないと市場から退出せざるを得ないと指摘する。

小規模サプライヤーだけでなく、ロバート・ボッシュ、ZF、オモビオといった世界的大手も大規模な人員削減を発表している。低収益が続けば、欧州の部品製造そのものが消滅しかねないとの危機感も強まっており、CLEPAは抜本的な対策の必要性を訴えている。

◇西欧から生産拠点を移転

さらに欧州サプライヤーは、政府からの助成や低コスト構造を背景に競争力を高める中国企業に後れを取っており、最近の調査では「競争力が最大の課題だ」と答えたサプライヤーが86%と、前年から14ポイントも増えた。

一方、地政学的緊張や関税政策も重なって、企業は生産拠点をよりコスト競争力のある地域へ移しており、成長の中心は北米やアジア、中国へと移りつつある。独ボーフムにある自動車研究センター(CAR)のフェルディナンド・デュデンヘッファー所長は「ドイツが脱工業化へ向かう中、同国のサプライヤーが26年に低コスト地域へ移転する動きは、ドイツの劣悪なコスト構造をある程度相殺する可能性がある」と語った。

ドイツだけでなく、CLEPA加盟企業の半数は今後5年間で西欧の生産能力を削減する計画で、拡大を予定しているのはわずか10%にとどまっている。一方、49%が北米における成長を、42%がアジアでの成長を、35%が中国での成長を見込んでいる。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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