パナソニックに復活の兆し 〜 赤字事業からの撤退と産業向け事業拡大が奏功

 日本の家電メーカー大手らが業績悪化と事業再編に苦しむなか、パナソニックには復活の兆しが見えてきた。不採算部門の切り離しや家電以外の事業拡大をはじめとする再編の成果が表面化している。

 日本の消費者電子製品業界では、ソニーが年度決算で11億ドルの赤字計上見込みを明らかにし、任天堂も先日、2億4400万ドルの損失予想を示した。

 ビジネスウィーク誌によると、その一方で、これまで巨額の赤字を計上してきたパナソニックは、2013年に社長に就任した津賀新体制の指揮のもと、大々的な再編を実行し、これまでのような「スマートフォンから太陽電池まで全ての分野を網羅する」という事業モデルから脱却し、不採算事業を切り離すと同時に、成長を見込める新しい合弁事業を推進している。

 その結果、車輛および産業システム分野における2013年第4四半期の営業利益は282億円に達した。前年同期は8億円の赤字だった。同部門は主に車輛向け電池や車載娯楽システムを製造している。

 また、2013年第4四半期のアプライアンス部門は、前年同期比60%増益の98億円を記録した。2013年第4四半期におけるパナソニック全体の利益は、同20%増の737億ドルとなり、専門家らの予想を68%上回った。

 都賀社長が改革の過程でまず実行したのが、プラズマ・テレビ用パネル製造の中止と半導体基板製造の縮小だった。さらに、スマートフォンの開発も打ち切っている。

 同社の目標は、サムスンやアップルの後塵を拝する消費者電子製品への依存度を減らすことだ。その一方で、同社は別分野への進出を積極的に展開している。

 たとえば、パナソニックは、米電気自動車(EV)ベンチャー大手のテスラ・モータース(Tesla Mortors)と2013年10月に提携し、EV用電池をテスラに向こう4年間に20億台納品する契約を獲得した。

 パナソニックは2019年までに車輛関連事業の収入を2兆円に増やす計画だ。同社はまた、車向けに360度カメラのような自動安全機器にも注力する方針だ。

 7四半期に赤字を続ける半導体事業をどうするかだ。日本国内の製造コストが上がっているのもその理由の一つ。そこで同社は2013年に、一つの関連事業を富士通との合弁事業にし、もう一つの関連事業部門をタワー・セミコンダクター(Tower Semiconductor)との合弁事業に再編した。

 パナソニックはさらに、2014年に入ってから、東南アジアにある三つの組み立て工場をシンガポール拠点のUTACマニュファクチャリング・サービスに1億1650万ドルで売却した。

 かたや、液晶(LCD)テレビとデジタル・カメラの部門はまだ再編されていない手付かずの状態で、都賀社長は今年、それらの事業部門のてこ入れに動くと予想される。

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