ラインにとって「最悪の筋書き」 〜 フェイスブックのワッツアップ買収
- 2014年2月24日
- ハイテク情報
フェイスブック(Facebook)が190億ドルという巨額でワッツアップ(WhatsApp)を買収することで合意成立したことが、今後、モバイル・インスタント・メッセージング・アプリケーション市場にどのような影響をおよぼすのか注目されるなか、アジアの競合社にとってそれは「最悪の筋書き」であるという兆候が表面化した。
ビジネスウィークによると、フェイスブックのワッツアップ買収合意が報じられた翌21日、ネイヴァー(Naver)の株価は近年で最大の8%も暴落し、今後におけるライン(LINE)の世界市場開拓戦略を不安視する見方が金融市場に広がった格好となった。
同市場世界最大手のワッツアップには4億5000万人の利用者がいるが、強豪アプリケーションを圧倒的に抑えこんでいるわけではなく、韓国のラインが利用者3億4000万人でワッツアップを追い上げている。
ラインは、韓国拠点のインターネット・ポータル運営大手ネイヴァーの日本子会社が市場投入したもの。ラインは日本に5800万人の利用者を抱え、日本はラインにとって最大市場となっている。
しかし、日本は少子高齢化が最も進んでいる国であり、今後の成長を期待できないため、ラインは成長戦略としてアジア諸国や米州および欧州での普及に注力し、利用者を増やしてきた。
日本市場がライン利用者全体に占めた割合は2012年に約42%だったが、2013年にはそれが18%まで縮小したほど、ラインは日本国外での利用者を順調に獲得してきた。しかし、フェイスブックによるワッツアップ買収によってラインの国際展開が減速するのではないかと指摘される。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は、ワッツアップ買収後もワッツアップの運営をこれまで通り維持し、フェイスブックから独立したままだと説明してフェイスブックの既存サービスと統合しない方針を示した。
しかし、世界に12億人と言われるフェイスブック利用者の一部がワッツアップに流れ、ワッツアップがラインを引き離すという予想が浮上し、ラインに加え、中国のウィーチャット(市場3位)にも厳しい逆風が吹くことになる、という見方が強まっている。
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